Vino Tinto 003

日本で名が通っているスペインワインでは、おそらく最高級の部類。 UNICO の意味は唯一とか、ユニークとかで、ブドウの出来が最高にいい年にしか UNICO の名では生産されず、樽・瓶合わせて約10年の熟成を経てから出荷される。ネットではいまだに「スペインのロマコン」という例えが散見されるけけれど、スペインを代表するワインにそれは失礼だろう。

飲んだのは2007年8月24日、今はなき岡山・平和町のスベインバル bar unico で。そもそも、バルで気軽に飲むようなワインではないのだけれど、店の名がこのワインにちなんでいるので、店としても看板的存在としてワインリストからは欠かさないようにしていたような気がする。

時効だから書いてしまうけれど、当時の価格で7万円。1週間後の9月1日付で転勤を控え、激務のポジションを3年間勤め上げた僕自身への褒美として、後輩2人を連れて行って飲んだ記憶がある。かなり思い切った出費だったけれど、当時はまだ大幅削減されていなかった転勤手当を財源にしたはずだ。

肝心の味の方は情けないことにほぼ記憶がない。とっても旨かったという記憶もないし、まずかったという記憶もない。そもそも、値段からして、まずいはずがないという刷り込みが働いているし、落胆させられたくないという貧乏根性もあっただろうから、正当な評価はどだい無理というもの。唯一、記憶しているのは、よそ行きのワインかなあ、ということと、雑味とは無縁なので舌触りものど越しも非常にシルキーだったこと。僕はどちらかといえば、単一品種でブドウの特徴がわかりやすいワインが好みなので、まさに「猫に小判」「豚に真珠」的な飲み方だったけれど、話のネタにはなる。(2017.6.30)